「経営者は語る」

 

100年に一度の不況を向かえてー

アクア化学株式会社

代表取締役 山本 健

 

 2008年も12月に入り、100年に一度と言われる世界的な経済不況を実感しつつある。

 このような時期に全工油より戴いた「経営者は語る」をタイトルとした原稿執筆の依頼には考えさせられるものがあります。

 私自身は技術系の出身でありますので、正しいと信じる製品を地道に作り続けると言う当たり前の事がメーカーの活路であると信じて参りました。

 この三十数年を振り返りますと、環境とコスト・利便性をテーマとした製品開発に取り組み続けた結果として現在の顧客信頼と、一定のご評価を得られたものと確信しております。

 また、今日の糧を得ることが出来た製品全てが、顧客の否定と懐疑心の中で繰り返す提案から生み出された歴史を思い起こし、昨今の不況下と重なるものを感じます。

 この不況を如何に乗り切るか?との話題が暇なく飛び交う毎日ですが、私は「如何に過ごすか?」と考えるように心掛けております。如何に過ごす、の意図するところは小手先でかわせるような短期不況では無い現実を焦らず過ごす姿勢と、未熟な社歴の当社にとっては、この環境で生きる技術を身につける良い機会ではないだろうか?と言う二つの思いから、意図的に「過ごす」と言う言葉を使うようにしております。

 営業部員は、当面は売れないであろう製品を頑張って売り歩いておりますが、いま大切なことは、目先の売上に一喜一憂するのではなく、販売同様に重要な役割である当社の「目」である事を営業部員に再認識して戴くことをお願いしております。

 積み重ねた実績など何の役にも立たないであろう厳しいハードルや新しい基準をいち早く見極める事で、勝敗が決まると考えるからです。

 一昨年度に商品化した回収装置に「ReCo」(レコ)と言う名前を付けており、これはRECYCLEECOLOGYの頭文字からとった造語ですが、当社の企業理念とも合致致します。

 この「ReCo」に込められた理念にふさわしい各商品群とシステムを、2009年度には展開させていただき、新しい活路を生み出させるように心がけるつもりです。