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  【第12回】 鉄鋼用圧延油のクーラント管理

はじめに
  冷間圧延時には、塑性加工と摩擦により膨大な熱が発生します。そこで圧延油クーラントは、 水による冷却効果とともに、潤滑面(ロールと板材料の表面)に潤滑剤を供給して圧延動力 (荷重)を低減し、摩擦熱を緩和する(潤滑効果)という二つの大きな役割を担っています。 更に、表面処理鋼板は高い表面品質が求められており、クーラントへの混入物が鋼板表面品質に 影響を与えるため、圧延油クーラントを常に清浄な状態に保つ事が必要条件の一つとなっています。 また、濃度や乳化状態の急激な変化は圧延作業を不安定にするばかりでなく、圧延油の使用量を 増大させます。ここでは、安定操業の為の冷間圧延油の主なクーラント管理について説明致します。


 

劣化の要員
1.クーラントの濃度管理
  圧延油クーラントは、水が95〜98%で残りの2〜5%が潤滑成分となる圧延油です。 設定濃度は、各圧延機の能力、圧延材料の構成、圧延油の内容成分(潤滑性能) などにより各圧延機ごとに管理範囲が決められています。濃度低下は潤滑性の低下になり、 圧延油を補給していないのに濃度が上昇する場合はトランプオイルの混入(作動油、潤滑油 などの漏れ)によるもので、圧延作業が不安定になります。


2.クーラントの温度管理
  クーラントの冷却効果は、クーラント温度により左右され、一定の範囲で管理される必要があります。一般の圧延油クーラントシステムでは、クーラントタンクに加熱のできるスチーム装置が、また配管系統に冷却設備が備わっており、50〜60℃で管理されています。


3.鉄分の管理
 圧延により発生する摩耗粉は、10μm以下の微細な粒子が大半を占めていますが100μm以上のものもあり、大型の摩耗粉がそのままロールに噛み込むと鋼板表面の品質を低下させるおそれがあります。 特に表面処理鋼板の原板圧延時には、板材表面の疵防止が重要です。そのため圧延油クーラントシステムには、摩耗粉を系外に排出させるための設備が設けられ、鉄分を少なく維持することを行っています。


4.乳化状態の管理
 乳化状態は、一般に粒径分布、ESI、プレートアウト等が現場で測定され管理されています。乳化状態の変化は、潤滑性に影響するばかりでなく、圧延油の原単位にも関わりが深いものです。 乳化状態が過度に良くなると潤滑面への油剤の供給(プレートアウト量)が減少し、潤滑性が低下します。また不安定になると圧延油の補給量が増加し、使用量が増大する傾向になります。


5.酸価・けん化価の管理
 酸価とけん化価は、圧延油クーラントの潤滑効果にとって重要な管理項目です。酸価の上昇は圧延油の劣化を、けん化価の低下はトランプオイルの混入を意味します。このような状態になると、安定した潤滑性が得られなくなります。 酸価とけん化価が変化した場合には圧延油クーラントを一部置き換えるなど、劣化した圧延油やトランプオイルを除去する対策が必要です。


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