切削油剤は工作油剤(金属加工油剤)の一つの種類で、文字通り切削加工に使用する潤滑油剤のことです。切削加工とは、工具と工作機械を用いて金属等の材料(加工物)を削り取り、必要な形状や寸法に仕上げる加工法で、旋盤による旋削やドリルを用いた穴加工などに代表されます。また、工具の代わりに砥石を用いた研削加工も含まれます。 |
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・潤滑作用 − 工具と被削材との摩擦を抑制し、切削抵抗や工具の摩耗を低減する。
・冷却作用 − 摩擦や塑性変形などにより発生する熱を除去する。
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切削油剤には、そのまま使用する不水溶性切削油剤と水で希釈して使用する水溶性切削油剤があります。
不水溶性切削油剤は潤滑作用に重点をおき、鉱油に種々の潤滑添加剤を加えたものです。水溶性切削油剤は
水の優れた冷却性と安全性に着目し、潤滑成分を水で希釈できるようにしたものです。
2000年に改正されたJISでは、不水溶性は成分と銅に対する腐食性から4種に、水溶性は成分と希釈したと
きの外観から3種に分類されました。また、改正JISでは環境を考え塩素系添加剤を含む切削油剤が分類から
除外されています。 |
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N1種 |
鉱油および脂肪油からなり、極圧添加剤を含まないもの |
N2種 |
N1種の組成を主成分とし、極圧添加剤を含むもの
(銅板腐食が150℃で2未満のもの) |
N3種 |
N1種の組成を主成分とし、極圧添加剤を含むもの
(硫黄系極圧添加剤を必須とし、銅板腐食100℃で2以下、150℃で2以上のもの) |
N4種 |
N1種の組成を主成分とし、極圧添加剤を含むもの
(硫黄系極圧添加剤を必須とし、銅板腐食100℃で3以上のもの) |
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2.水溶性切削油剤の分類 |
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A1種 |
鉱油や脂肪油など、水に溶けない成分と界面活性剤からなり、水に加えて希釈すると外観が乳白色になるもの |
A2種 |
界面活性剤など水に溶ける成分単独、または水に溶ける成分と鉱油や脂肪油など水に溶けない成分からなり、水に加えて希釈すると外観が半透明ないし透明になるもの |
A3種 |
水に溶ける成分からなり、水に加えて希釈すると外観が透明になるもの |
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